【映画】ノッティングヒルの恋人
Warning! ネタバレを含みます!
なんかバレンタインデーらしいのでノリで観てみた。感想もノリで書くぞー
イギリス留学していた時、日本人にとってのジブリというか、みんな観ていたり、ある程度粗筋や有名なシーンを知っていて当たり前な映画がイギリス人にとってもあることに気付いた。具体的には、ディズニー映画全般(特にライオンキング)、スターウォーズ、ラブアクチュアリー、ヒッチハイカーズガイド(The Hitchhiker's Guide to the Galaxy)、そしてこのノッティングヒルの恋人、あたりではないだろうか。
有名なので説明するまでもないかもしれないが、ジュリア・ロバーツ演じる大女優であるアナ・スコットが、イギリスの冴えない本屋の主人と恋に落ちる話だ。
この映画と言えば!なシーンが、家のドアを開けたら取材陣が蠢いていて写真を撮られまくる場面だろう。それだけ知っていて視聴し始めたのだが、最初から最後まで違和感しかなかったぞ!
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まず、大女優が本屋の店主に一目ぼれ?していきなりキスして帰っていくところ。
どんだけ軽いねーん!!!と突っ込みたくなった。というか突っ込んだ。
でもまあ、遊ばれてるのかなって思うじゃないですか。フィクションとか置いといて現実的に考えるならば。しかし、その後、アナが本気っぽい感じでデートし始める。
一方、ヒュー・グラント演じる本屋の主人であるウィルは、この時点ではまだ信じられない感じが良く出ていて好印象だった。彼のおかげでこの映画の脚本の不自然さがだいぶんほぐれていると言っていい。
ただ、アナにキスされまくっているうちに本気になっちゃうんだよね。
で、アナに彼氏がいたことが発覚するんだよね笑
ほれみろ!みたいな笑 現地妻ならぬ現地彼氏だったわけでした(失敬)
傷心のウィルは、合コン?見合い?をしまくるんだけど、やっぱりアナのことが忘れられない。「出会いは奇跡だよ!」なんつて。
そこに、またアナがやってくる。昔のヌード写真をばら撒かれて傷つき、また、マスコミからの逃げ場としてウィルの家を選んだのだ。ザ・都合のいい男!
そこで、またグレーな空気が流れた後に、ついに関係を持ってしまう。その翌朝、ウィルが玄関のドアを開けた瞬間にパパラッチ、その後アナも無邪気に(?)ドアを開けてパパラッチ、錯乱したアナはウィルに罵声を浴びせて去っていく。
ここから先の細かいところはまあ観てください、ということにしておこう。
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全体として思ったのは、コレは男の人版少女漫画なのかな?ってこと。
ある日突然、めっちゃ綺麗な人が自分が好きであるかのような行動をしてくる。キスとかキスとかキスとか。
実際、そんなうまくはいかなくて、途中相手に彼氏が居ることが発覚したり、パパラッチされたり云々するんだけど、それでもアナはやっぱり一途にウィルのことを想っている。そして最後にようやくウィルに関係を決める選択権が回ってくる。
これ、男女逆転させたら少女漫画でよくあるやつだよね?身分違いの恋、身分が上でしかも超絶ハンサムな相手からの求愛、相手の恋愛がらみのハプニング、身分違いについての社会的バッシング、求愛アンド求愛、好きかもしれない、行き違い、そして最後には自分に選択権が与えられる…という。(ぱっと思いついた限りだと、漫画『姉の結婚』がかなり近い構図だと思う。)
これはつまり、男の人もこういう、「求められて困っちゃった末に相手を選ぶ」という乙女的展開を望んでいることを意味するのだろうか?というのも、この映画は脚本的に女(アナ)には感情移入できないようになっている。全編を通してウィルの視点でしか語られていないから、アナの振る舞いは(少なくとも私から見ると)とても自分勝手に映るのだ。それでもこの映画がウケるのは、「いいなあ、こんな恋愛できたらなあ」って思っているから…としか説明がつかないのである。
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まあ、たまにはこういう話もいいかもね、フィクションだし()
しかし、この非現実感とは裏腹に、映画としてはコンパクトで、ずっと画面に引きつけられた。あまり難しい伏線を張らず、多くの人が素直に解釈できるまっすぐな表現の心地よさのせいもあるかもしれない。
でも、やっぱり最後に言いたい。
何もしないのに理想ななめ上の相手に好かれるなんて、そんな都合の良い話ありませんからーー!!!
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