芋けんぴ農場

自称芋けんぴソムリエが徒然なるままに感想や日々の雑感を記します。頭の整理と長い文章を書く練習です。

【漫画】東京タラレバ娘/東村アキコ

 

 

Warning!  ネタバレを含みます!

 

 

 

アラサー女子(女子???)の心を抉ると話題の漫画、
東京タラレバ娘』1~4巻(既刊5巻)を読んだ。

 

***

とりあえず、自分の人生自分で責任もって考えて行動しなさいよ、
って話なのかなと思った。

主人公の倫子さんはアラサー未婚女性。仕事はぼちぼち、恋愛はもっとぼちぼち。
脚本家として独立し、表参道にオフィスを抱えるくらい成功してはいるけれど、
書く話のスタイルが古いと言われ、仕事を干されかけている。
そんな彼女は、
昔言い寄ってきた男を選んでい「タラ」、
あの時ああしてい「れば」、
でもあの人よりはマシ、と女子会で愚痴を垂れて自分を慰める日々だ。

 

そんな倫子さんが男を選ぶ基準はズバリ顔(というか見た目)。
一応言っておくと、選ぶのは悪いことじゃない。

生理的に合う人合わない人というのはどうしたって存在する。
それに、彼女は仕事でまあまあ成功している自負もあるわけで、
その誇りに見合うだけの人を選びたい、というのも自然な心理だと思う。
※だから、私はタラレバを読んで「やっぱもう妥協しなきゃダメなんだ」っていう結論を導くのは違うと思う。

 

でも、問題は、自分が選ぶのと同時に選ばれなければいけないわけで、
その基準を自分から減りつつある価値=外見の美しさ、に依存させるのって
苦行すぎない?って話だと解釈している。
相手も自分と同じ物差しで恋人を選ぶとは限らないけれど、
この時点で大きなずれがあると、
最初から大きな価値観のずれを内包した関係になる可能性が高いのでは?
と思います。
大人として壮年(!?)に向かいつつある立場としては、人としての成熟とか、
それまでの経験から確率した価値観をもとに相手を選ぶ方が(言い方は悪いけど) 自分の良さを見せやすいのでは?
と思うわけだけど、倫子さんはそれができない。
だからイケメンモデルのkey君にお説教されてしまう。

いい歳こいて 女同士でつるんで 騒いで
あること ないこと 妄想して 興奮して
それだけに基づいて たいして考えもせず 行動する
だから オレも 警戒する
なあ
一体 何の為に 歳 取ってるんだ あんたらは

結局、ここに行きついてしまうような気がする。
自由の街・東京で「幸せ」(倫子にとってはイケメンと結婚すること)が欲しいと願いながら、
人の忠告を聞き入れず、自分の価値観に固執してたいした行動もしない。

その真逆の存在が、アシスタントのマミちゃん。
彼女は若く、大胆で、倫子のアドバイスもすぐに聞き入れ、

仕事で成功の糸口をつかみ、
おまけにテレビ局のディレクターと結婚前提で交際中だ。
この娘は仕事も恋も手に入れているのである。

 

倫子さんの将来としては、
・結婚をあきらめ、仕事一筋

・仕事を捨てて(奇跡的にパートナーを見つけて)私生活に邁進

・両方とる

・両方ダメになる
全部ありえるわけだけど、自己評価と現実のギャップを直視したうえで
(彼女のルッキズムに基づいた相手選びは修正が必要)、
自分で自分の生き方を再定義するフェーズが彼女たちには必要なように思われる。

マミちゃんが強いのはここ。

素直だから、人に指摘されたらすぐ行動できるわけで。あー耳が痛い。

 

マミちゃんは、人の評価や常識に良い意味でとらわれない。
自分がやりたいこと、すべきことを淡々とやる子だ。
だから人と比べることもない。
これも倫子さんと違うところ。

 

でも、わかる。どうしたって比べたくなっちゃう。
勉強も、容姿も、仕事も、私生活も、比べたくなっちゃう。
その延長には、きっと彼氏(夫)や年収も出てくるんだろうと思う。

いや、もう始まっているのかも。
でもそうやって、倫子さんみたいに
「あれはない」とか
「あれよりマシ」とか言って 優越感ゲームに参加する限り、
自分よりも「強い」人が現れたら、
どんなに満ち足りていても惨めになるんですよね?(そうです)
そう思って、懸命に抗おうとしている。
隣の芝はいつだって青いけど、その隣の人が手に入れた状況は、
私が今持っている手札とは何の関係もない。
見えてしまっているだけなのだ。

だったら、隣人と自分の際限のない競争を止めよう。

嫉妬する心に抗おう、そう思っている。
隣人にうれしいことがあったら、言葉からでもいいから絶対に喜ぼう。
お祝いしよう。
気持ちもいずれついてくるさ。
(でも今のところ嫉妬で狂いそうです!みたいなことは起こっていない。
友人の結婚報告は本当に嬉しかった。)
隣人が苦境にあったら、優越感が言葉になる前に一緒に悲しもう。
隣人が手に入れたものが羨ましいと思うなら、自分もそうなれるように努力しよう。

教えを請おう。
そうやって、比較に比較を重ねてボロボロになる前に、
なりたい自分を外に出してしまって、
隣人と自分を比べてしまう癖に打ち克ちたいと思っている。

 

綺麗事だろうか。

 

でもやるぞ。

 

*** 

最後に蛇足なんですが、なんで倫子さんは(世にある恋愛漫画/ドラマも)、
最初から完璧な人を求めているんだろう?
倫子さん、途中で爽やかイケメンと付き合うことになるんですが、
彼の映画好きについていけずにお別れしてしまう。
そのとき、倫子さんはひとりで「この人とはうまくいかないわ…」
と考えて別れを切り出す。
なんで話し合わずに結論を出してしまうんだろう、って不思議で仕方ない。

 

 


アラサー女の魂と人生を揺さぶる漫画です!!!
★★★★